オリンパスが超小型一眼カメラ「E−P1」を発売、一眼・新潮流の先駆けとなるか

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オリンパスが超小型一眼カメラ「E−P1」を発売、一眼・新潮流の先駆けとなるか

オリンパスは7月3日、従来より大幅に小型・軽量化を実現した一眼カメラ「EP−1」を発売する。発売当初の想定価格はボディのみが9万円、14~42ミリのズームレンズキットで10万円前後。キヤノン、ニコンの2強による寡占状態が続く市場で、巻き返しを期す。
 
 「ミラーレスカメラという、新しい時代を作るのは間違いない」。データ会社BCNのアナリスト道越一郎氏は、今回発表されたカメラについて、このように分析する。光をファインダーに届けるための内部のミラー(レフレックス)を取り外すことで、小型化を実現した同機は、一見コンパクトデジカメと見紛うほどの小ささ。他社の一眼レフカメラ普及機と比べると、総体積は3~4割ほどしかない。
 
 「大きく重い一眼レフカメラを敬遠していた潜在的な(一眼レフ)顧客層が、推定で2000万人いる。この層を取り込みたい」。全世界の一眼レフ市場が1000万台に満たない中、潜在市場が、その2倍以上の2000万台に達する、という数値は大風呂敷もいいところだが、このマイクロフォーサーズ機に賭けるオリンパスの意気込みは、伝わってくる。
 
 もっとも、小さい、軽いだけが売りではない。製品発表会に参加したあるプロカメラマンも「交換レンズはなかなか良いのを出してきた。パンケーキレンズはF値2.8という明るさ。この数値のレンズはそうそうない。初心者に媚びたカメラではなく、こだわって作ってきたという感じがする」と話す。
 
 画期的といえる「マイクロ一眼」は大ヒットとなるのか。その革新性を高く評価する前述の道越アナリストだが、売れ行きに関しては「そんなに大きなインパクトにはならないかもしれない」とやや懐疑的だ。「ネックとなるのは、やはり価格。10万円は予想していた以上に高い。外装に金属を使用するなど、質感にまでこだわって作った点は評価してあげなければならないが、この値段だとターゲットとするコンパクトデジカメからのステップアップ層を取り込みにくい」。

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