トヨタ「エスティマ」異例の改良を決めた理由

登場10年の現行3代目は、新境地へ向かう

初代エスティマはミニバンブーム前夜の日本の自動車市場に衝撃を与え、スタイリッシュな多人数乗り車を好むファンを獲得した。1994年にホンダ「オデッセイ」の登場でミニバンブームが確立され、各社がさまざまなミニバンを投入し、多様化していった中でもエスティマはミニバンカテゴリのスペシャルティカーとして異彩を放ち続けてきた。

エスティマファンは多い

さすがに1990年代の登録車である初代ユーザーはほとんどいなくなっているものの、エスティマはピーク時には年10万台以上を売ったヒットモデルで、歴代モデルを乗り継いでいるファンも多く、筆者のまわりでも、「次期型が出るなら必ず買う」というエスティマユーザーも少なくない。

またアルファード&ヴェルファイアのような、大人数は乗れても元をただせば商用車っぽい流れから生まれたミニバンがどうしても好きになれないというひとが、エスティマに流れてくるケースも依然としてある。トヨタとしてもエスティマを生産終了して、みすみすこのようなニーズを逃す手はないと判断し、大幅マイナーチェンジに踏み切るのかもしれない。

またエスティマはトヨタ店とカローラ店での併売扱いとなっている。トヨタでは、仮にある扱い車を廃止すると、同クラスもしくは同カテゴリーモデルを差し替えモデルとして新規ラインナップするのが慣例となっている。つまり取り扱い車種数を減らさない措置でもある。

仮にエスティマを廃止してトヨタ店にアルファード、カローラ店にヴェルファイアをあてがってもいいのだが、総額で500万円前後になることも珍しくない高額車両のアルファード&ヴェルファイアは、そこまで販路を拡大するほど量販が見込めるモデルともいえない。

当初トヨペット店のみの扱いとも言われていた「エスクァイア」がトヨタ店との併売になった理由のひとつに、エスティマとの差し替え措置という話もあったが、既納エスティマユーザーからエスクァイアの代替えはあまりうまくいっていないとも聞く。

今回のビッグマイナーチェンジの背景にはさまざまな「大人の事情」があるのは確かな様子。3代目の現行エスティマはモデルサイクルがかなり長期化しているが、このタイミングで異例のビッグマイナーチェンジを行うあたり、それだけエスティマの人気が根強いことが伺える。さらには、おそらく次期型4代目の開発が進んでいる裏返しともいえる。

どのような形にしろ、部分改良とはいえ見た目がガラリと変わった新型エスティマが登場することを、拍手喝采で迎えるファンが多いのは間違いないはずだ。同時にラージサイズミニバンクラスにおけるトヨタの優位性がますます高まるのも間違いないだろう。

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