【産業天気図・パルプ・紙】需要減で減産続くが、固定費圧縮、原燃料価格高騰沈静化で底打ち

予想天気
  09年4月~9月   09年10月~10年3月

パルプ・紙業界の天気予想は2009年度前半が曇り、後半はやや改善しながらも曇り空が続く。

09年度前半は景気後退の影響が大きい。主需要家である自動車、家電、不動産の3業種とも売上高が4割~半減という大不振となり、カタログやチラシなどの広告宣伝費用をまず削減。続いてモノが売れないために、取扱説明書などの資料用紙の需要も減退が続いている。大手では新聞の部数、ページ数減少による新聞用紙減少の影響も免れない。
 
 このため、08年秋から大手各社は減産を実施している。年末年始のピーク時には前年対比で40~50%と踏みこんだが、年明け以降も需要回復には至っておらず、4月以降も3割程度の減産を継続している。過去3年にわたって実施してきた値上げも、需要減退にはかなわず、大手8社とも前半の売上高は前期比減となりそうだ。
 
 一方利益のほうは、製品や原燃料の構成によって差が出てそう。足かけ5年間にわたって原油が上昇し続けた間に、重油燃料からLNGやバイオマスなどの新エネルギーへの転換を進め、燃料面での耐性はつきつつある。また、減産による固定費負担を少しでも軽くするため、前年度末に停止機械の除却、減損を実施、人員も減員不補充を続けている。ただし、前年同期の業績にダメージを与えた原油、製紙用薬品、古紙など原燃料価格全般にわたる高騰は徐々に沈静化している。
 
 販売価格の原価連動をいち早く進めてきた段ボール・板紙では、トップのレンゴー<3941>はじめ利益回復力がある。洋紙では輸入紙との競合もあるためまだそこまでには至っていない。だが、懸念された、王子製紙<3861>、日本製紙グループ<3893>はじめ大手4社による新抄紙マシン始動の影響は、それほど現れてはいない。むしろ老朽マシンの除却を促進する結果となっている。
 
 需要自体は低迷が続いているが、メーカー・流通在庫はすでに軽減されている。自動車や流通業などの需要も底打ち感が表れ始めている。需要が戻りはじめれば、2009年度後半には収益は徐々に改善に向かうとみられる。

(小長 洋子)

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