40代が熱くなる「大映ドラマカラオケ」の磁力 ドラマの名シーンを味わう絶妙な仕掛け

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リリースされて2週間後の週間ランキングでは、ドラマ映像なしのバージョンに比べて40000位以上もランクアップする曲が出るなど、大映ドラマファン、カラオケファンの心を早速つかんでいることが伺える。

左が大映テレビの近藤一男社長、右が第一興商の小倉チーフ

今回のコラボレーションの狙いについて、大映テレビの近藤一男社長は次のように言う。

「実写映像でカラオケにしたい、という小倉さんからの熱烈なラブコールがきっかけ。ですが再放送やDVD化とは違う新しい商品化でしたから、前例がまったくなかった。カラオケの場合はどの程度の金額を払えばいいのか? という点など、時間をかけてハードルをクリアしていった」

簡単な解決策としてタイトルバックを使うだけでもいいのではないかという意見もあったが、ドラマの名場面を再構成する、との結論になった。「歌う人たちの立場を考えれば、そのほうが思い入れを強く持てるだろうから」と、出演者が快諾してくれるケースが多かったという。

視聴率25%の人気ドラマがもたらす記憶

「現在のドラマではエンディングテーマとして主題歌が使われることがほとんど。しかし、大映ドラマは主題歌がオープニングに使われている。強烈なナレーションの後にテーマが流れる構成になっており、カラオケを歌う場合にも間違いなくインパクトが大きい」(近藤社長)

第一興商の小倉さんと近藤社長が制作過程で話したのは、閉塞した今の時代に熱いドラマが必要とされているのではないか、ということだった。

「昨年末の紅白歌合戦でも、80年代の曲が数多く歌われていた。『西部警察』が再評価され、『あぶない刑事』も最近映画が公開されている。そんな時代の流れだからこそ、大映ドラマの魅力も多くの人に知ってもらいたい」(小倉さん)

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