鳩山辞任から4日 麻生降ろしが始まるか向こう2週間が勝負

鳩山辞任から4日 麻生降ろしが始まるか向こう2週間が勝負

塩田潮

 鳩山辞任から4日が過ぎた。
 今日、発表になった各紙の調査結果で、麻生内閣の支持率は急落した。政権直撃の出来事だったことがわかる。発足後10ヵ月足らずで内閣の中から4人も辞職者が出た。失言の中山前文科相はともかく、首相の「盟友」の中川前財務相、鴻池前官房副長官、今度の鳩山前総務相は政権を支えるべき中枢のメンバーなのに、支えることよりも自身のわがままや正義を優先させ、首相そっちのけでわが道を突っ走った。もともと「盟友」ではなかったのだろう。就任時、即解散、総選挙後の人事やり直しを頭に、軽率な組閣人事をやったツケが回ってきたのだ。人を見る眼なし、人脈と情報なし、人事の才なしの「3なし」も響いている。

 だが、より深刻なのは「おおむね順調」と思い込む楽天主義の麻生首相の八方美人、二股膏薬、優柔不断の姿勢である。

 自民党では、早くも総選挙後の野党転落や再編始動を見越して「生き延び」を模索する動きが始まっているが、その場合、民意獲得に必要なのは「ニュー自民党」の新しい旗、つまり政策の対立軸や新路線だ。鳩山前総務相の過激な独走は、反小泉路線の鮮明化による新しい旗頭を目指す運動と映る。
 自民党は長らく異なる路線や方向性、支持基盤の人たちが権力を接着剤にして集まる「包括政党」だった。小泉元首相はその限界を見抜き、党全体を小泉色に塗り替えようとした。一時は成功したかに見えたが、長続きしなかった。

 麻生首相は「包括政党」への回帰路線だ。「ニュー自民党」の新しい旗といっても、下手に打ち出せば党が四分五裂しかねない。他方、八方美人と二股膏薬を続けると有権者が背を向ける。舵取りはむずかしいが、楽観論の首相は「最後は俺流で。きっとうまくいく」と根拠薄弱の思い込みで腹をくくって一気に解散に走る可能性がある。
 「自爆覚悟の突撃首相はごめん」と党内で麻生降ろしが始まるかどうか。向こう2週間余の勝負だろう。
(写真:尾形文繁)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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