ホークスが今「巨大な2軍施設」を作る理由 総工費50億円、「筑後ファンクラブ」も新設

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屋内練習場(2015年12月撮影)

そのほかにも、クラブハウスや42人宿泊可能な選手寮を敷地内に整備し、文字通り「野球漬け」の環境が用意されるのだ。

2015年のドラフトを経てホークスに入団した6人は、全員が高校生。彼らは「筑後1期生」として、与えられた環境をフルに生かし、次世代ホークスを担う力になることが期待されている。

新施設にはもう一つのコンセプトがある。それは「1日楽しめるボールパーク」。一般向けのエンターテインメントとしての認知・収益向上も目指しているのだ。

交通手段の多様性生かし「九州のホークス」に

メインスタジアム観客席(2016年1月撮影)

メインスタジアムにはLEDビジョンや3000席の観客席を設置し、これまで無料だった2軍戦を有料化する。参考までに、現在2軍戦を有料化している巨人や日本ハムの入場者数は、多い日で1600人程度。雁ノ巣で行われた昨シーズンのホークス2軍最終戦は、過去最多の1550人だった。

雁ノ巣にはなかった一般用駐車場も300台分、大型バス用は5台分を完備した。すでに「ホークス筑後ファンクラブ」まで始動しており、選手とファンの交流イベントも計画されている。また、家族連れなど幅広い層に足を運んでもらえるよう、野球以外のアミューズメントの導入も検討中だという。

筑後市は福岡県南部に位置する田園都市で、福岡市にあるヤフオク!ドームからは九州自動車道経由で1時間圏内。その上、建設地のすぐ近くには九州新幹線が停車するJR筑後船小屋駅があり、博多駅から24分という交通手段の多様性も強み。ドームで試合が行われる日は周辺の交通渋滞が見込まれるが、鉄道にはその心配がない。昼に筑後の2軍戦に出場した選手が1軍のナイターにベンチ入りすることも可能だ。

また、福岡と鹿児島、長崎と大分、縦横の交通の結節点に近いことも利点の一つ。九州各地からアクセスしやすい場所に本拠地を置くことで、「九州のホークス」のイメージ強化も期待できる。

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