リクルートの七変化--強者を覆うネット時代の内憂外患《広告サバイバル》

リクルートの七変化--強者を覆うネット時代の内憂外患《広告サバイバル》

5月末、首都圏の駅構内のあちこちで「パナソニック」の文字が躍った(上写真→拡大)。といっても、単なる壁広告ではない。リクルートの若者向けフリーペーパー『 R25 』と『 L25 』のタイアップ版(広告主による広告買い切り版)が発行されたのだ。同誌が柱巻きのラックに設置されると、通勤途中の男女が次々とやってきて抜いていく。

毎週木曜日(買い切り版は月曜日)に発行される『 R25 』はわずか3日間で、60万部がはける「お化け」雑誌。無料誌にもかかわらず、大手企業を広告ターゲットとした点でも異例といえるが、『 R25 』の特長はそこにとどまらない。

「読者の多くは通勤途中に『 R25 』をピックアップする“マイラック”があり、1週間に5日、計10回通り過ぎるたびに自然と目をやる。そこへ広告を入れる効果は大きい」と、同誌の広告販売を手掛けるリクルートと電通の共同出資会社メディア・シェイカーズの笠松良彦社長は力説する。広告主の社名が入った雑誌をラックに並べて設置し、電車内の中吊り広告とも連動--。『 R25 』が目指すのは屋外も巻き込んだ「巨大メディア」の展開だ。

リクルートにとってラックは貴重な広告媒体だけに、その管理もぬかりない。専門者が自ら出向いて配布し、設置分がなくなれば直ちに追加を補充する。ゴミがあれば捨て、汚れがあればふくほどの徹底ぶり。より効果の高い場所を求めて、拠点開発も定期的に行っている。

広告主からの評価も上々だ。1回約5000万円の広告料も「高くない」と、昨年12月に買い切り版を展開したネットショッピングサイト「買う市」の松浦義幹社長は言い切る。「はけ率の高さを考えると出す側も安心だし、『 R25 』というブランドへの安心感は大きい」。

まさにドブ板の営業 媒体配布まで自前主義

駅やコンビニ、ネットから携帯。リクルートの媒体は日常生活のありとあらゆるところに浸透している。求人情報から始まった同社は全国で、情報と広告をかき集め続け、今や売上高は1兆円を突破、電通の倍以上の営業利益を稼ぎ出す広告業界のガリバーにのし上がった。

成長を支えてきたのは時代の変化に機敏に対応する柔軟さ。それは数字も証明する。5年前には媒体事業の7割近くを占めていた情報誌の割合は年々減少、今ではネットとフリーペーパーが約7割を占める。


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