好調すかいらーく、プレミアム後に狙う客層 郊外では「むさしの森珈琲」に手応え

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「成長のドライバーは売り物がはっきりしている業態」と、すかいらーくの谷社長は言い切る

谷社長は、成長のドライバーとなるのが「売り物がはっきりしている業態」と、断言した。新店は投資も大きく、すぐに利益貢献することはない。競争力の落ちた既存店を、専門性の高いブランドに転換するよう取り組み、成長の主軸に据えていく。郊外型カフェの「むさしの森珈琲」、しゃぶしゃぶの「しゃぶ葉」、焼き肉の「じゅうじゅうカルビ」といったブランドへの転換を、2015年は104店で実施。今後も2018年までの3年間で、150~300店舗実施する計画だ。

特にむさしの森珈琲は、「元旦に訪問したら満席で、半分近くが1人客だった。日本人のライフスタイルに合っている」(谷社長)と手応え。2016年5月には、地方での実験店という位置付けで、北陸に出店する。地方の客を取り込めると判断されれば、地方の中核都市へ出店を増やしていく計画だ。「2017~2018年以降のブランド転換の柱になることを期待したい」(谷社長)。

ただし、郊外にはコメダの「コメダ珈琲店」、ドトール・日レスホールディングスの「星乃珈琲店」など、ライバルたちがひしめく。むさしの森珈琲が競争を勝ち抜いていけるかは未知数だ。第4、第5の転換候補となる新業態の開発にも、継続して取り込んでいくという。

既存業態で集客を底上げする施策を打ちつつ、新業態で新たな客層を取り込んでいく。すかいらーくが今の勢いを維持できるかどうかは、これらの施策の成否にかかっている。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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