新幹線の車窓に現れる巨大な「輪」のナゾ

土木、流通…小田原付近に見る日本の「今」

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巨大な「輪」はシンガポールの大深度下水トンネル。隣には東京駅のホーム桁が保存され、20年あまり使われ撤去された後も十分な強度を保っていた。なお企業の敷地内のため自由に見学はできない(許可を得て掲載)

ここは、建築資材などに使われるプレストレストコンクリートで知られるピーエス三菱の技術研究所。巨大な輪の正体は日本技術によってインドネシアの関連企業で製造され、シンガポールで実際に使用されている、大深度下水トンネルの技術展示だ。

1999年から整備されたDTSSと呼ばれる下水道システムのトンネルと同一のもので、直径は7m。シンガポールの地下には、狭い国土で水を効率的に再利用するために、こうした大型の下水道が全長50km近くにわたって張り巡らされている。

そして、その下水トンネルの隣には、東京駅のホームの一部が保存・展示されている。これは1953年から1974年まで、当時の東京駅6・7番ホーム(現在は上野東京ラインなどが使用しているホームにあたる)で使用されていたプラットホームの桁だ。

プレストレストコンクリートとは、コンクリートに圧縮する力を加えることで強度を高めた資材だが、大型構造物に適した「ポストテンション方式」と呼ばれる製法を日本で初めて導入したのが、この東京駅のプラットホーム桁だった。軽量ながら高架上にある東京駅プラットホームの耐荷力を高めることに貢献したという。新幹線発祥の地のすぐ隣に、東京駅の「日本初」が保存されているというのが興味深い。

ネット通販の荷物はここから

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酒匂川のほとりにそびえるアマゾン小田原フルフィルメントセンター。小田原に1000人規模の雇用を創出したという
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アマゾン小田原FCの敷地には、2009年までは乾電池などを製造する工場があった

大深度トンネルの「輪」を過ぎると、酒匂川を渡る。富士山麓に源流を発する酒匂川の流域には、新幹線の車窓から見えるだけでもライオン、富士フイルム、カネボウ化粧品、Meiji Seikaファルマなど著名な企業の工場が多い。

E席側前方に見えてくる巨大な建物は、通信販売大手・アマゾンの小田原フルフィルメント(FC)センター。延床面積20万㎡、ありがちな表現を借りれば、東京ドーム4個分の床面積を持つアマゾンの国内最大の物流センターだ。

2013年に本格稼働を開始し、埼玉県や愛知県にあった3カ所の物流センターの在庫を統合。関東から静岡県に至るエリアで、注文したその日に商品を配送するサービスを実現するなど、同社の基幹拠点となっている。関東地方に住んでいる人なら、アマゾンに注文した品の多くはあの巨大な倉庫から運ばれてくるわけだ。

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