不況の今こそ、ものづくりを変えるチャンス

仏ダッソー・システムズ社長兼CEOに聞く

ベルナール・シャーレス 仏ダッソー・システムズ社長兼最高経営責任者--不況の今こそ、ものづくりを変えるチャンス

フランスの複合企業グループ、ダッソーグループの1社であるダッソー・システムズは、3D技術を用いた製品設計ツールのトップ企業として知られる。バーチャル製品設計の「CATIA」、オンライン3Dライフライク・エクスペリエンスの「3DVIA」など各種のソフトを販売。製造業に対し、効率的なPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)の実現を提案している。

6月初旬に行った自社のイベント「JCF 2009」で講演するために来日したベルナール・シャーレス社長は「不況期こそ、ものづくりを変えるチャンス」と説く。

--ダッソー・システムズは2008年12月期に前年比9%増の13.3億ユーロの売り上げを達成。営業利益率も20.4%と好調を維持しました。しかし、ダッソーの主顧客である自動車、電機などの製造業では、多くの大企業が業績悪化に苦しんでいます。顧客の投資意欲は減退してきているのではないですか。

過去20年、ダッソー・システムズは日本を含む世界中の多くの製造業に採用され、ビジネスの方法を変えてきました。これは明確に数字で表すことができます。自動車製造業でいえば、ダッソーのツールを用いることにより、開発時間を短縮することができた。20年前には56カ月必要だったものが、今では12~14カ月に短縮されています。

また、設計段階でコンピュータを用いて各種のシミュレーションをできるためモックアップなどが不要。最初の製品を投入してから不具合が発生する率も少なく、大幅なコスト削減を図れるようになりました。

なぜ、このような話をするかというと、重要なことは長期的な変化の方向です。確かに足もとの2008年、2009年の経済環境は非常に厳しい。しかし、そういうときであっても、長い目で見ることが重要です。たとえばホンダは私たちのソフトを20年以上も前から使っているユーザーです。ホンダはその後の20年で、真のグローバルカンパニーになり、今ではグローバルにR&Dを行っています。トヨタは10年未満の顧客ですが、やはり具体的な結果がでてきています。

--大手製造業の設備投資抑制は激しい。ソフトウエアへの投資も抑制されるのでは。

多くの人は、ダッソーのソフトウエアを、設計部門などの限られた専門家だけが用いるテクニカル・ツールと判断しがちですが、そうではありません。ERP(企業資源計画)はコスト削減を行うためのシステムとして浸透しています。しかし製造業はコスト削減だけをすればいいわけではない。PLMは自分たちが製造して売る製品を、効率的に開発し管理するシステムですから、売り上げを伸ばすためのシステムということができます。

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