尾崎裕・大阪ガス社長--プロセスを評価し、挑戦する風土をもっと高めたい

尾崎裕・大阪ガス社長--プロセスを評価し、挑戦する風土をもっと高めたい

大阪ガスに新ビジネスがよく出るのはなぜか? それは純粋な民間事業で始まったために、(公益)ガス事業の枠に入らなくてもいいと考え、お客様のためのプラスワンをずっとやってきたからでしょう。

これまで客先で発電するコジェネや酉島(大阪)などのIPPを積み重ねてきました。その集大成が今回の泉北です。最大級の火力発電所を自分で造って動かせたことは大きな力になります。これまでインベスターとしてだけだった海外発電事業でも、これでオペレーターやデベロッパーとしての力がつくし、幅も少しは広がると思います。

コジェネは何万キロワット級の工場向けから、小規模なものに広げてきました。1キロワット程度で家庭に置ける今回のエネファームが最後。これが窮極のコジェネで、すべてのコジェネがこれでできるようになった。

(国の補助金も加えて消費者が実質負担する)エネファームの価格を60万円に下げるのに、10年もかけるのでは遅すぎます。家電と同じスピードでコストダウンしないと。量産効果や部品最適化を組み合わせれば100万円を切るまでは多分行ける。さらに製造工程の見直しなどで60万~70万円までは可能ではないか。

燃料電池は直流発電だから太陽光とか電池との相性もいい。未来の住宅には最適のオンサイト発電です。当社のR&D予算でもトッププライオリティ。いちばんカネや資源を投入していますよ。今年はジャンプスタート、立ち上げをしっかりしないといけません。

私は、社員がどれだけチャレンジしたか、を評価したいと考えています。成果主義で成果の出ることしかしないのでは困ります。準備、ステップと計画を踏んで、その結果失敗したなら評価に値します。上司は部下をよく見て、聞いてやる必要があり、手間もかかります。今の(成果主義)制度の枠の中ですが、上司が部下の仕事のプロセスをきちっと評価するようにします。上下、横のコミュニケーションがあってこそ職場も活性化します。新しいことに挑戦する風土をエンカレッジしたいのです。「やれ、やれ」と言うだけでなく、飛んで失敗しても、そのプロセスを見て、「将来に役に立つね」と評価すれば社員もやる気になります。自分もそうですから。

特に若い社員には未来の夢を持って働いてほしい。「6畳一間でなく、無限に続く原っぱに自分の好きなモノを作れ。限界はないよ」という思いを今回の長期ビジョンに込めています。10年で月に家を建てるのは無理だから、もう少し地に足のついた計画にしたつもりです。ある意味チャレンジですが、やればできると信じています。

(週刊東洋経済)

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