巨額増資を繰り返す3メガバンクの脆弱性、自力増資だけで追いつくのか

巨額増資を繰り返す3メガバンクの脆弱性、自力増資だけで追いつくのか

ついに、みずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)が最大6000億円の普通株公募増資に踏み切ることを決めた。昨年秋に三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)が4000億円の普通株公募増資を断行、今年4月には三井住友フィナンシャルグループ(以下SMFG)が最大8000億円の枠を登録し、みずほFGの出方が注目されていた。

みずほFGには普通株発行を躊躇する理由があった。2003年に3400社もの取引先にはめ込んだ優先株、いわゆる「1兆円増資」のくびきだ。これは08年7月以降に転換可能となり、16年には強制転換期限が来るため、希薄化リスクに備えて、08年前半までは資本の減少につながる自己株消却を進めていた。この自己株消却を打ち止めにしただけでも、市場からは嫌気されていた。

しかし、資本の質に関する議論が急浮上し、相対的に資本余力を欠くみずほに対して「金融庁が公的資金を入れようとしている」との見方が市場で高まるに至り、苦渋の決断をせざるをえなかった。

5月15日の会見の席上、「普通株発行は1兆円増資に応じた取引先に対し、恩をあだで返す行為では」との質問に対し、4月に就任した塚本隆史みずほFG社長は、「経営環境の悪化に備え、収益を強化できる財務基盤を構築することが、市場の評価につながると考えている」と述べた。ただ一方で、「6000億円の増資は22%の希薄化を伴う」「これまで言ってきたことと180度違う」とも認めた。  

資本の質の見直し論議で3メガの脆弱さ浮き彫り

3メガバンクグループは、金融危機により08年3月期には証券化商品で多額の損失を計上。さらに09年3月期には、昨年秋のリーマンショック以降の株価急落による損失の拡大と、景気後退による与信費用の増加により、資本増強が急務となった。

そもそも、邦銀は1990年代の日本の不良債権問題を解決するのに10年以上を要し、3メガが公的資金をそろって完済したのが06年。08年には10年前に発行した優先出資証券の償還が集中し、借り換えなければ、自己資本比率が低下する構造にあった。当初の計画では08年以降が、利益積み上げによる資本増強ステージになるはずだった。ところが新たな金融危機による巨額損失が発生し、計画が狂ってしまったのである。

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