TOEICではもう限界? 転換期迎えたビジネス英語

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06年、TOEICは“より現実のコミュニケーションに近づけるため”試験内容をリニューアルし、07年からは一般向けのスピーキングとライティングのテストも別枠で設け、4技能の測定ができる体制へ転換した。「つねに適正な英語力を測るのがミッション。時代状況と合わない部分が出てくれば、今後もリニューアルは辞さない」(広報渉外部)という。

こうした中、そもそもTOEIC批判は使い手側の問題が大きいと指摘する専門家もいる。

「英語でのビジネスができるかどうかは、英語力だけによるものではない。その人物の実務経験や人間力、コミュニケーション力などのトータルの力があってこそ。『TOEICのスコア=仕事能力』ではないのに、ない交ぜに語られており、そこに最大の問題がある」(鳥飼玖美子・立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授)。

英語力の土台となる、日本語力の低下もささやかれる中、いまビジネス英語検定は転換期を迎えている。受験者にとっては、この局面をどう先取りするかが、一歩先を行く差別化へとつながるはずだ。同時に、企業側にも「英語力を測る物差しをどこまで資格に頼るか」という問いかけが突きつけられている。

(週刊東洋経済)

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