伊勢丹社長に「伊勢丹メンズ館」の立役者大西氏、武藤氏は持ち株会社のCEO職に専念

伊勢丹社長に「伊勢丹メンズ館」の立役者大西氏、武藤氏は持ち株会社のCEO職に専念

百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスは29日、6月1日付で傘下の中核百貨店の一つである伊勢丹社長に大西洋氏(53)が就任する、と発表した。HDのトップである武藤信一氏は伊勢丹に関しては社長職を退き取締役となるが、引き続きHDの会長兼CEO(最高経営責任者)をつとめ、グループ全体の経営統括に専念する。
 
 新たに伊勢丹の社長に就任する大西氏は慶応義塾大学を卒業後、伊勢丹入社。2003年9月にオープン、大成功を収めた伊勢丹本店「メンズ館」立ち上げの立て役者だ。伊勢丹の立川店長などを経た後、昨年春からは三越の常務として三越改革に手腕をふるっていた。
 
 伊勢丹の社長の在任期間は内規では6年。01年に社長に就任した武藤氏は本来なら07年に後継者にバトンタッチするはずだったが、その年に三越との統合発表を発表。結果としてこの時期の交代となった。後継者を選定する指名委員会の手続きを経ての決定とはいえ、下馬評では、主力の婦人服部門の統括だった二橋千裕氏が社長に就任すると見る向きも多かった。それだけに三越取締役だった大西氏を伊勢丹に戻したのはやはり異例といえる。武藤会長も「婦人服の専門家が婦人を立て直すのは難易度が高い。(指名委員会は)従来と違う視点を持っているということも選定要因として重視したのだろう」と語る通り、大西氏の「突破力」に託したということだ。
 
 リーマンショック後、急速に低下した伊勢丹新宿本店の収益力回復や、4月末にスポンサーに決定した丸井今井をはじめとする、傘下の地方百貨店の建て直しなど、課題は山積。新社長に課されたハードルは高い。

(福井 純)

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