「職場だけ夫婦別姓」で妥協する、女性の心理 ずっと事実婚だった私は、こう考えてきた

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職場では旧姓のまま、働こうと思っています(写真 :Emie / PIXTA)
結婚・出産で大きく変化する女子の人生は、右にも左にも選択肢だらけ。20代はもちろん、30代になっても迷いは増すばかり。いったいどの道を選べば幸せに近づけるのか? 元リクルート“最強の母”堂薗稚子さんがお答えします。
※お悩み相談はこちらのアドレス(onnaーsodan@toyokeizai.co.jp)まで

 今回は、結婚を控え、職場での名字をどうすべきか迷っている女性の方からお悩み相談をいただきました。

【ご相談】
春に結婚する予定です。私は結婚、出産をしても働き続けるつもりですが、結婚後も旧姓で仕事をしようと考えていました。私の職場では旧姓で働く女性が多いので、「そういうものかな」と思っていましたし、職場で名字を変えるとこれまでのキャリアと切り離されて別の人になるような感じもして、当然、旧姓でと考えていました。
ところが、彼や両親にその話をしたら、「内縁っぽく見える」「そこまでしなくちゃ仕事を続けられないのか」とあまりよい反応ではなく驚きました。いろいろな考え方があることを改めて知り、迷い始めています。旧姓で働くか、新しい姓で働くかで、仕事や将来のキャリアに影響は出るものでしょうか? アドバイスいただけると嬉しいです。

 

日本は法律で「同姓」が決められている数少ない国

この連載の過去記事はこちら

昨年末に最高裁での判決が出て、議論が再燃した感じがある「夫婦別姓問題」。世界でも日本は、法律で「夫婦同姓」が決められている数少ない国なのだそうですね。法律的に結婚した後も夫婦それぞれが異なる「氏」を名乗れるようにすべきかどうかという議論は、私がまだ子どもの時代からずっと続いている気がします。

女性の社会進出とセットで話題に出ることが多いので、このテーマを口にすると「私は何より仕事が優先です!」と宣言しているみたいな、「これは男女差別じゃないの?」と声高に叫んでいるようななんとも言えない気恥ずかしさを感じてしまいます。

そういう感情を持ってしまうということは、やはりまだ、「選択的別姓」は世の中にまだまだなじんではいないのかもしれません。でも、私にとってこのテーマは、若い頃からずっとモヤモヤと持ち続けているテーマのひとつです。私などが軽々しくアドバイスなんてできない重いテーマだとは重々承知していますが、経験したことや感じていることを書いてみます。あなたの選択に、少しでも参考になれば幸いです。

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