米国・EU・日本・中国・ロシア・インド--世界6大国の戦力を分析する《若手記者・スタンフォード留学記 36》

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 アメリカ、EU、日本、中国、ロシア、インドの国力を、前述の分野別にランキングすると、次のようになります。

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日本と中国。軍事力・政治力では引き分け

分野ごとに、日中の戦力比較と合わせて、ざっと中身について説明してみましょう。

第1に、経済力の指標として用いたのは、各国の名目GDP(国内総生産)です。実際には、経済の規模だけでなく、経済の質(1人当たりGDP、技術水準、特許数、教育レベルなど)も考慮すべきところですが、簡潔にGDPのみにしました。

国別に見ると、トップはEUで、それに続くのはアメリカ。以下、日本、中国、ロシア、インドが続きます。

データの種類にもよりますが、日本を中国が追い抜くには、まだ5年以上かかるでしょう。

第2に、軍事力は、アメリカがダントツです。

核兵器数こそロシアの後塵を拝しますが、軍事費、テクノロジー水準はスバ抜けています。2位につけるのはEUですが、EUの軍事費は、各加盟国の軍事費を積み上げた架空の数字ですので、他国の軍事費とは意味合いが異なる点には注意がいります。

日中の比較という点では、核兵器数、軍事費ともに中国が日本を上回っています。

しかしながら、軍事テクノロジーや隊員の訓練度を加味すると、実質的にはまだ日本の軍事力の方が上だという声も有力です(中国は兵器の多くをロシアから輸入しており、独自の開発技術に乏しい)。一部で伝えられるとおり、中国が空母建造に成功すれば、今後10年で日中の軍事バランスは逆転しうるでしょう。

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