ムンディファーマ

「イソジン®」の開発元・アメリカ発祥の製薬企業ムンディファーマが日本での事業展開を強化、さらなる拡大を目指す。 ムンディファーマ

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世界第2位の規模を持つ日本市場を最重要視し経営資源を投入する

ムンディファーマにおける、アジアパシフィック・中東・アフリカ・中南米市場を担当するシン氏は通常、シンガポールを拠点としている。今回来日し、パートナー企業ほか関係各所を訪問した目的はどこにあるのか。

「当社グループはこれまで、欧州、北米、オーストラリア、ニュージーランドなどで、実績を伸ばしてきました。今後大きな可能性があるのが、私が担当するリージョンです。投資も積極的に行っています。2013年には南米、2014年には中東・アフリカで投資を行ってきました。2015年からは日本に注力してきました。

ただし、これまで我々が投資してきた新興国と異なり、日本は先進国です。医薬品マーケットとしてみると米国に次いで世界第2位の規模があります。これまで当社は、それに応じた事業規模ではありませんでした。当社の中でも日本の事業のシェアをトップクラスに引き上げたいと思っています」(シン氏)。

むろん、日本において同社のプレゼンスが低かったわけではない。先に述べたように「イソジン®」の販売では50年以上の歴史がある。また1991年には日本法人が設立されており、間もなく四半世紀を迎える。

ムンディファーマ株式会社
代表取締役社長
木村昭介

2014年に日本法人の社長に就任した木村昭介氏は、大手コンサルティングファームで製薬会社などのプロジェクトを担当した後、外資系大手製薬会社に転じ営業・マーケティング部門や事業部門の責任者を務めた経験を持つ。業界を知り尽くした木村氏に、ムンディファーマはどう映ったのか。

「日本における知名度はまだ低いですが、とても革新的な会社です。規模を追求するより、希少な疾病など、アンメットメディカルニーズ(有効な治療法・医薬品などの開発が進んでおらず、満たされていない医療ニーズ)にフォーカスしている点に大きな特長があります。また、ムンディファーマグローバルでも、日本の市場を最重要視しています。

大手と異なり、意思決定が早くコミュニケーションが密になっています。日本の患者さん、医療機関、市場の声をいち早く届けニーズに応えたいと考えています」と木村氏は力を込める。

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