事後レポ

~戦略とマーケティングのレベルを上げる!
市場・事業データをインテリジェンスに活かす機械学習~

テクノロジーの進化に伴い、企業の間で、ビッグデータをビジネスに活用する動きが急速に高まっている。2015年12月、東京・千代田区で開かれた「ビッグデータ・アナリティクス2015Part2〈事例編〉」では、いかにしてビッグデータに取り組むべきか─事例を中心として実践的な活用方法の検討が行われた。
主催:東洋経済新報社
特別協賛:日本マイクロソフト

【基調講演】
「競争優位をもたらすビッグデータの活用
~インサイトを導き出すための定義と導入へのアプローチ~」

勝山公雄
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)
アナリティクスセンター
シニアマネージャー

 PwCの勝山公雄氏は、ビッグデータ導入の仕方について「すでにある『型』をまねることから始め、自分のやり方を作ればよいでしょう」と述べた。PwCは、V(価値)、P(プロセス)、O(組織)、T(技術)の4要素からなる型を用意。Vに関しては、データ活用アセスメント・投資効果算定・予算策定・KPI策定といった検討トピックを定めている。アセスメントでは、トップ指標を決め、その下に達成にかかわる影響指標を系統的に置いていく指標ツリーによる検討を提案した。最後に、小売業のデータを生かし、金融業など他業種に進出する〝クロスインダストリー〟の潮流を指摘した勝山氏は「トライアルから活用範囲やユーザー規模を拡大し、取り組みレベルを上げていきましょう」と、ビッグデータの早めの導入を呼びかけた。

【特別協賛講演】
「Microsoftのビッグデータ民主化に向けた取り組み」

藤井創一
日本マイクロソフト
エンタープライズパートナーグループ
第二インダストリー統括本部
流通担当シニアインダストリーマネージャー

 日本マイクロソフトの藤井創一氏は、専門家ではない人でも手軽に使えるビッグデータ利用基盤を、クラウドサービスとして安価に提供する「ビッグデータ民主化」の取り組みを紹介した。同社のAzure Machine Learningは、用意されたパーツをドラッグ・アンド・ドロップの操作で組み合わせて分析モデルを作成し、機械学習(Machine Learning)の導入期間を大幅に短縮できる。コスト面でも、コンピューティングリソースを使った分だけ課金する仕組みで、チャレンジしやすくした。顧客への高品質サービス提供を強みにする米・小売り会社が、オムニチャネル戦略のために機械学習を利用している事例を紹介した藤井氏は、「一通りの機能をそろえたCortana Analytics Suiteの提供も始め、さらなる使いやすさを追求します」と語った。

【事例講演Ⅰ】
「競争力強化のためのアナリティクス」

相澤利彦
TSUNAGU・パートナーズ
代表取締役

 コンビニエンスストア・チェーン社長などを歴任してきたTSUNAGU・パートナーズの相澤利彦氏は「生み出されるビジネス価値の計算が大切」と、経営視点からビッグデータを語った。あるコンビニエンスストアが「売り上げに占める割合は小さくても生鮮食品の大きな看板を掲げている」理由は、生鮮食品客の月間購入額が、非生鮮客の約3.4倍にも達するというデータにあるという。こうした事例を示した相澤氏は「ビッグなデータを編集し、スモールに絞り込んだ情報とすることで意味が生まれる。そういう力を持った現場派経営者を増やす取り組みをしていきたい」と語った。

網野知博
ギックス
代表取締役

 ギックスの網野知博氏は、Azureなどクラウドをベースに構築したデータ・ビジュアライズ・サービス「graffe(グラーフ)」で、データを経営判断に役立つレポートに変換し、戦略を提言している。居酒屋チェーンの分析例では、時間帯ごとの来客数のデータ分析から導き出したスタッフのシフト最適化が、全体で年間8億円超のコスト削減効果を見込める提案になった。網野氏は「ITの進化で、以前なら10億円以上の投資が必要だった分析エンジンをベンチャーでも作れるようになりました。これからはデータの使い方で差がつく時代です」と訴えた。

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