核保有した北朝鮮、金正日は核放棄せず、流出阻止が最大の課題


 「無能なスタンドプレーは強さの表れではなく、熟慮の結果の抑制的姿勢は弱さの表れではない」

北朝鮮は先月、無謀にも弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した。実験は幸いにも失敗に終わったが、日米両政府は今までのところ、冒頭の考えを肝に銘じて行動している。

いま北朝鮮問題には不安材料と好材料が共存している。不安材料とは国際社会が当面、核武装した北朝鮮と共存しなければならないことだ。

北朝鮮が核兵器を開発した事実は重い。確かに発射実験の成果は彼らの宣伝よりはるかに劣るが、射程を伸ばす努力は続くだろう。もちろん核兵器を実際に使用すれば自らの滅亡を招くので、可能性は小さい。だが、核物質や核技術を無法国家やテロ組織に売る危険は存在し続ける。

一方好材料は、北朝鮮の弱さである。過去何十年間も、北朝鮮は韓国に通常兵器による攻撃を仕掛けることはなかった。戦争になれば負けることがわかっていたからだ。金正日体制は弱体化しており、政権移行が静かに進行中だ。金総書記は3人の息子の誰かに権力を譲りたいところだが、いずれも適性を欠くようだ。

今も有効な6カ国協議の枠組み

6カ国協議の枠組みは、北朝鮮がボイコット姿勢を撤回すれば対話の仕組みとして今も有効だ。武器関連技術の拡散禁止のための「拡散に対する安全保障構想」もある。

だが、核兵器開発は“金王国”の正当化と威信の高揚に役立つから、息子の誰かがトップの座に就くまでは、放棄されることはないだろう。現状では日米両政府は抑制した態度で臨んでいるが、瀬戸際外交や危機エスカレーションには非妥協的な姿勢を保っている。核に関して金正日の要求に耳を貸すつもりはない。 

北朝鮮は強硬な態度で核保有の強国としての扱いを求めているが、日米両国は、北朝鮮を国際社会の注目と認知を切望している弱小国として扱っている。より強硬な対応への誘惑はあるが、それは逆効果になりかねない。日米の軽率な行動は金正日に利用されるだけであり、北朝鮮の非核化には役に立たない。

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