琴奨菊の勝因は「重層的メンタル采配」にある

「琴バウアー」だけじゃない!妙策の数々

ただ、さまざまなアイディアが芽生え、それらを実施したからといって、すべてがうまくいくとは限りません。失敗も多々あることでしょう。「人は失敗が続きすぎると、努力すれば成功するという感覚が持てなくなる(学習性無力感)」という、心理学者・セリグマンの説もあります。失敗を恐れるあまり、新たなチャレンジに躊躇する人は少なくありません。

では、失敗を飛躍につなげるにはどうすればいいのでしょう? これには組織行動科学者・コルブの示した「経験学習モデル」が役に立ちそうです。いわく、「具体的経験 → 省察 → 概念化・持論化 → 試行 → そしてまた具体的経験……」といった試行錯誤、トライ&エラー、PDCAを繰り返しながら、失敗経験を次のステップへの糧にするのです。

琴奨菊関もそのようなステップを踏まれたのかもしれない、と思わせるエピソードがあります。ソフトバンクホークス・内川聖一選手が、スポーツ紙上で語っていたものです。

「鷹の選択」から学べること

「菊ちゃんとは、いつの間にか腹を割って話せる関係になった。(中略)『この動画が自分を奮い立たせてくれる』って、『鷹の選択』という動画を教えてくれた。鷹が年齢を重ねて衰えたときに、そのまま動かないのか、自分をいじめて進化するのか、どっちを選ぶのかという話。僕らも今から爆発的に伸びる年齢ではないから『自分はどうするんだ』と考えさせられた。教えてもらってよかった」

ここに登場する『鷹の選択』とは、ざっくり以下のようなお話です。

鷹は長生きの鳥としてよく知られているが、長生きできるかどうかは、重要な決断をできるかにかかっている。爪が弱くなり獲物がうまく取れなくなったとき、くちばしが長く曲がり、胸につくようになったとき、羽も重くなり、徐々に飛べなくなったときに、このまま死ぬ時期を待つのか、苦しい自分探しの旅に出るのか。
変化の道を選んだ鷹は、まずくちばしを岩で叩き、壊して無くす。そうすると新しいくちばしが出てくる。出てきたくちばしで、爪を一つずつはぎ取る。新しい爪が生えてきたら、今度は羽を一本ずつ抜く。こうして半年が過ぎ、新しい羽が生えてきた鷹は、新しい姿に変わる。そしてまた空に高く跳び上がる。
人も、成長することを願う。成長を望み、もっと新しい自分を見つけるためには、心の底から「変化」を期待し行動しなければならない。大切な人生の生きる意味に気づき、成長する自分と向き合うためには、鷹のような勇気ある「選択」が必要なのかもしれない。
※一部はフィクションだそうです
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