異色の介護施設「みちのく荘」、団塊世代の介護を見据えた新たな挑戦

異色の介護施設「みちのく荘」、団塊世代の介護を見据えた新たな挑戦

小林美希 労働経済ジャーナリスト 

 利用者にとってはニーズにマッチしないサービス。職員にとっては過重労働で低賃金。そのうえ、経営は火の車……そんな課題が指摘される「介護ビジネス」の中で、異色の運営手法で成果を挙げている法人がある。青森県むつ市で特別養護老人ホーム「みちのく荘」などを運営する社会福祉法人青森社会福祉振興団だ。

中山辰巳・みちのく荘園長(56歳、青森社会福祉振興団専務理事 =敬称略)が、父親が開設した「みちのく荘」の運営を引き継いだのは25年前。当時、介護は行政措置の時代。みちのく荘に限らず、多くの老人ホームでは、オムツは定時にしか取り替えず、早く帰りたい職員が17時頃に無理に夕食を食べさせる“職員にとって楽な介護”だった。

中山は介護サービスの質を上げるには人材育成が不可欠と考え、同時に労働条件を改善するため新しい事業展開を試みた。常に5年後、10年後を見据えた経営を目指してきた。

 今では介護の現場にも普及しているが、1985年にQCサークルを結成、同年にオムツの随時交換を開始、1994年に在宅介護支援センター事業を開始、1998年には訪問看護ステーションを開設するなど、利用者ニーズに即したサービス提供をいち早く試みてきた。その度に「前例がない」と渋る行政と議論してきたが、中山は「行政と戦わなければ、職員の労働条件を良くできない」と粘り続けた。

同法人は特別養護老人ホームやケアハウス、デイサービスセンター、訪問看護・介護など包括的に運営。職員数250人、利用者数は入所型施設で約150人、通所・訪門型で1日平均約200人に上る中核的存在となった。2003年には独自に「みちのくヘルパースクール」を開校するなど、ヘルパー養成にも力を注いでいる。

法人全体の売上高は、介護保険制度が始まった2000年度の6億3552万円から2007年度は9億5675万円へと拡大。2008年度は10億2987万円となる見込みだ。

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