《検証・民主党》雇用--野党共闘も今は昔? 難産続く派遣法改正案

《検証・民主党》雇用--野党共闘も今は昔? 難産続く派遣法改正案

「派遣切りに遭って数十円の所持金で『派遣村』にたどりついた人を自分の目で見たことが大きい。こんなことが二度と起きないように派遣法の抜本改正を実現すべきだ」。4月13日、都内で開催された市民集会で、民主党で緊急雇用対策本部長を務める菅直人代表代行は力を込めて語った。だが、その熱弁直後に登壇した社民党の福島みずほ党首は、「菅さんには連日電話攻勢をしており、先ほども何とか決断してくださいよと念押しした。それなのに、返答は『脅かさないでよ』だった。タイムリミットが迫っているのに」と苦言を呈した。

世界的な金融危機を背景に、昨年秋から製造業での雇用調整が本格化。危機感を抱いた労働組合と市民団体が企画した、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」には500人が駆け込み、大きく報道された。そのため通常国会でも労働法制、中でも労働者派遣法改正をめぐる議論が盛り上がるとみられていた。ところが4月下旬に至っても、野党から派遣法改正法案は提出されていない。

すでに政府与党は昨年11月の臨時国会で派遣法改正案を提出済み。ただその中身は30日以内の短期派遣の禁止程度で今回の派遣切りへの対応は織り込まれていない。与党の新雇用対策に関するプロジェクトチームの川崎二郎座長も1月には「当然話し合いの用意はある」と語り、野党案を待って審議に入る意向を示していた。攻勢の絶好機であるのに、野党側が手をこまぬいている背景には何があるのか。

他野党に譲歩重ねるも製造業派遣禁止が限界か

民主党が派遣法見直しの検討を始めたのは2007年10月。厚生労働省や人材派遣協会などの関係者からヒアリングを開始。その前月には支持団体の連合が、登録型派遣の原則禁止や違法派遣時に派遣先の直接雇用とみなす規定の創設など規制強化を求める方針を取りまとめていた。

ただ、党内には派遣会社社員組合の支持を受ける現状維持派も少なくない。その結果、「非常に苦労した」(関係者)末、08年4月にネクストキャビネット(NC)で了承を受けた改正法案は、日雇いなど2カ月以下の短期派遣は禁止、派遣先の責任強化といったもので、連合や他の野党の主張と比較しマイルドなものになった。当初は「08年通常国会で是非出したい」(山田正彦NC厚労相=当時)との意向だったが、共闘関係にある社民党、国民新党とも民主党案に強く反発。一度は記者会見のセットまで行われたが、土壇場でキャンセルとなった。

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