しのびよる破局 辺見庸著

しのびよる破局 辺見庸著

破局下の思考と行動はどうあるべきかについて、「いまは、どんな時代か」「私たちはどうして生きているか」という基本的な視点から著述する。

ここでの「破局」とは、「資本主義経済のそれだけではなく、……深まる一方の荒(すさ)みの状態をもいう」。そして、その状態をウイルスの感染爆発を表す「パンデミック」という言葉でとらえ、米国人が9・11のときに口にしたパンデモニアム(修羅場。ミルトン『失楽園』の地獄の首都)を連想させるとも言う。

この背景に「とりわけ近代以降うたがってこなかった、人間の諸価値」「もっといえば生きていく意味」もいまや揺さぶられているという認識が著者にある。

著者は『もの食う人びと』をはじめ多数の著作において、ネガティブで悲観的な現実を訴えてきたが、本書では「〈資本主義はすばらしいのに、同時になぜこうも益体(やくたい)もないのか〉の謎」が明らかにされる可能性に光明を見出そうとしている。

大月書店 1365円

Amazonで見る
楽天で見る

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
持ち家が危ない<br>マイホームが「負動産」になる

東京・豊島区で15%の空き家率。空き家はもはや地方都市だけの問題ではない。積立金不足で大規模修繕が進まないマンションも。「負」動産化する持ち家の大問題とその対策を提示。