大阪の三越伊勢丹は成功するか? 開業キーマン激白--日本初の“置き方”を提案する《NEWS@もっと!関西》

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--大阪で根強い人気を誇る阪急百貨店を意識してのマーチャンダイジングとなるのですか。

ファッションといえば大阪では阪急さんが第一人者で、評価を得ておられる。われわれはコンテンツ(=ブランド)として阪急さんにないものを持ってくることもありますが、同じコンテンツを展開するケースもあるでしょう。ただ、「置き方」は変わるでしょうね。

われわれは、ライフステージは意識しません。お客様の生活の志向や価値観でフロアをつくっていきます。その意味で、たとえばヤングやミセスなどを同じフロアで展開する可能性がありますよ。アメリカやヨーロッパでは、お客さんの価値観を共有化する店舗(売り場)が、実際にあるんですよ。日本では束ねたほうが高効率なので、いままではそのような展開がなかったのですね。

阪急さんの梅田本店は増改装により8万4000平方メートルになります。大阪三越伊勢丹は5万平方メートルでしかない。量では勝てないので質(=付加価値)を高めていきます。 

■エース級の人材を投入、JRに最大限に甘える

--「伊勢丹新宿本店」や「JR京都伊勢丹」のノウハウも導入するのですか。

伊勢丹新宿本店で成功した「解放区」や「メンズ館」などのノウハウを生かしていきたいですね。京都も「解放区」などを導入して成功していますから。ただ、新店は単純に「京都の2号店」ではなく、新しい展開をしますよ。

そもそも、お客さまの特性が地域によって違います。京都は長いお付き合いによる信頼関係をベースにした、いわば「つけの文化」です。大阪は一代で仲良くなれる土地柄の現金文化。「これ、なんぼ?」の世界ですね(笑)。東京は「江戸っ子3代」という言葉があり、言うなれば「クレジット文化」ですね。

--価格といえば、大丸梅田店が低価格を売りにする紳士服専門店を入れました。三越伊勢丹は追随しますか。

確かに、大阪の方は価格に対して非常にシビアです。価値が価格を上回らないと、お買い上げいただけません。もちろん、価格も意識しますが、一方で付加価値を高めることにも努めます。「量より質」というクオリティー重視です。大丸さんのような展開は、われわれはまったく考えていません。

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