マンション価格は「旧価格」へ舞い戻る、下落はこれから本番へ《不動産危機》

「マンション価格の下落は4月以降が本番だ」と言うのは、アウトレット(新築マンションの売れ残り再販)市場向け売買が専門の新都心リアルコーポレーション・神長安彦社長だ。背景について神長社長は「これから破産物件の売却が本格化するほか、3月決算が確定する5月以降は、銀行からの売却物件も増える」と見るからだ。中堅デベロッパーの担当者も、「首都圏郊外の物件は売れ残りも多いうえ、新規の販売物件がまだ出てくる」と言う。

2008年1月に大幅な価格改定を発表して話題になった東京都東村山市の「ココロコス東京久米川」。今回の価格下落の出発点といわれる物件だが、当時の改定幅は「最大で20%前後」(新日鉄都市開発広報担当)。1年経過して同物件は完売した。が、マンション市場のほうは20~30%の値引きが横行する価格の崩壊状態を呈している感じだ。背景にあるのは、リーマンショックのあった昨年9月以降のマンションデベロッパーの厳しい資金繰り。そのため処分売りが急増しているのだ。

その代表格が大京だ。同社は昨年11月7日の09年3月期第2四半期業績で、322億円の棚卸資産評価損を計上し、マンション市況の悪化を業績に反映させた。同時に、積極的な価格見直しで完成在庫の大幅な削減に乗り出した。その結果、「ピークだった08年6月に930戸あった完成在庫は12月末で448戸まで減少した」(奥山慎哉広報室課長)が、年明け以降、さらに削減に拍車がかかっている。

たとえば、同社とオリックス不動産の共同事業である大型物件、江東区の「亀戸レジデンス」(700戸)は、「毎週土日にモデルルームへ各200組の来場者がある」(同)という。来場者急増の理由はこちらも価格改定で、「既存の購入者にも改定分は返却している」(同)。

こうした動きは大京だけではない。折からの資金繰り難もあり、各社は一斉に在庫圧縮に乗り出している。そのためか、3月16日に不動産経済研究所が発表した2月の「首都圏のマンション市場動向」では、完成在庫が07年11月以来の1万戸割れとなり、関係者は改めて年明け以降の客足の増加や価格引き下げ効果を確認した格好だ。実際、在庫水準は12月末の1万2427戸から9819戸まで、わずか2カ月で2608戸も減少している。

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