原油安は「ありがた迷惑」なレベルに突入した

株式相場への好材料ではなくなっている

2007年と2008年に原油価格が137%上昇すると、アジア地域におけるコモディティ輸入国である韓国、日本、香港の株価指数は、32%─58%下落した。

その後、2014年6月から2015年4月にかけてブレント原油が45%下落すると、日本、韓国、香港の株価は10─19%上昇した。

オーストラリアやマレーシアなどコモディティ輸出国を含む、より範囲の広い株価指数であるMSCI(日本を除くアジア太平洋株指数)は、5.3%上昇している。

だが2015年末以降、原油価格と株価は同じ方向で推移している。石油価格がほぼ40%下落して1バレル29ドル以下になるとともに、日経平均、香港ハンセン指数、韓国の総合株価指数はいずれも9─14%下落した。

これら3つの指数は現在、ブレント原油と約85─90%の相関を示している。

材料は燃え尽きたか

投資家の株式市場からの撤退の副産物としてドルが強力に買われ、ドルの主要6通貨に対するドル指数は過去3カ月で4.4%上昇した。

ブラジルやサウジアラビアなど、コモディティを輸出する新興市場諸国にとって、これでは踏んだり蹴ったりだと、アクシオマのダシエ氏は語る。米ドル建ての債務が拡大する一方で輸出収益が減少することになるからだ。

「こうした国々は恐らく赤字になるから、その手当てのために、たぶんドル建てで新規国債を発行することになる。ドルは今後上昇し、米国の金利は上昇する」とダシエ氏は言う。「これは、二重三重の痛手になる」

もちろん、石油価格が安定、あるいは上昇して、株価が元気を取り戻す可能性はある。

「今のところ石油価格が下方にオーバーシュートしているため、このテーマはすでに燃え尽きつつあり、石油価格が底を打って市場が広い範囲で落ち着く、というのはありそうな話だ」とヘンダーソン・グローバル・インベスターズ(ロンドン)のマルチアセット部門の共同主任ポール・オコナー氏は言う。

だが、イランに対する欧米の制裁解除に伴い、グローバルな石油の供給過剰はいっそう拡大する可能性が高いため、少なくとも短期的には、さらなる苦痛が待ち構えていることになりかねない。

(Nichola Saminather記者)

(翻訳:エァクレーレン)

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