USENがたった5億円で映像配信事業を売却、本業回帰の苦しい内実

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有線、カラオケの大手であるUSENにとって、映像関連は既存事業とのシナジーが見込める成長戦略との位置づけだった。しかし05年に子会社化した映画事業ギャガはすでに撤退。ギャオも、ついには自力で花を咲かせられなかった。ただ、今回の売却で大きな止血にはメドが立った。3月には有料動画配信事業のショウタイム(関連会社)を楽天に譲渡しており、本業回帰の姿勢を鮮明にしている。

しかし本業も安泰ではない。収益柱の有線放送も飲食店の新規開拓が難しい状況にある。08年に完全子会社化したインテリジェンスの人材事業は不況がもろに直撃。カラオケ事業で08年末の需要期に、戦略商材の投入が遅れるという失策もあった。

本業では、2月末に資本業務提携した光通信と顧客基盤、商材を相互活用するとの施策を打ち出している。ただ、この成果がどう出るかも未知数といえる。

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(撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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