ヤフーがUSENから動画配信事業を5億円強で買収、業績影響は当分先

ヤフーがUSENから動画配信事業を5億円強で買収、業績影響は当分先

ヤフーは、USENからインターネット動画配信事業「GyaO(ギャオ)」を買収する。運営会社GyaOの増資を5億2977万円で引受け、ヤフーが51%、USENが49%を出資する子会社とする。社長はヤフーが派遣する。

ギャオといえば、インターネットを使った映画などの映像配信サービスの先駆け。無料で画像を見せることで集客し、広告掲載で収益を上げる、いわば民放モデルを描いていた。しかし、画像調達コストがかさむ一方で、狙ったような広告を集めることができず、大幅な赤字を垂れ流していた。2007年8月期は売上高47億円に対し営業赤字が20億円、08年8月期には売上高は54億円となったが、営業赤字は27億円にふくれあがっていた。赤字に耐えられなくなっていたUSENは昨秋から、ヤフーに支援を打診していた、という。

一方、ヤフーは、動画配信サービスとしては、映画などの配給元からの公式動画を配信する「ヤフー!動画」と、利用者からの投稿動画で構成する「ヤフー!ビデオキャスト」を手掛けていた。ただ、競合のユーチューブに水をあけられ、ビデオキャストは4月5日にサービスを停止、ヤフー!動画も月間ページビューが1.6億程度とヤフー全体の460億からすれば非常に目立たない存在にとどまっている。収支も赤字と見られ、テコ入れが必要になっていた。

ヤフーとしては、収支は厳しいものの、すでに650万ユーザーを抱え、知名度もあるギャオと統合することで、動画配信事業の規模を拡大し、ユーチューブの追撃を目指す。ヤフーでは、課金や権利処理を徹底した配信プラットフォームとして、テレビ局や映画会社などの積極的な参加を進めたい考えだ。海賊版が横行する現状では、課金型の公式動画コンテンツサービスが利用者を集めるのは難しいだろう。ただヤフーは、海賊版の動画配信プラットフォームに対する世界的な規制強化が進むことも想定し、オフィシャルな動画配信市場が立ち上がることを期待する。

なお「東洋経済オンライン」は、今回の出資による予想の見直しは行わない。出資額が僅か5億円強で、また、ギャオの事業規模も小さいためだ。ギャオの赤字の規模はそれなりに大きいが、買収前に財務等のリストラを行い、連結後の赤字は縮小する、と見込まれる。また、統合後でも動画サービスがヤフー全体に占めるウエイトも僅少で、目論み通り事業が拡大したとしても、目に見える利益規模になるのは来2011年3月期以降だろう。
(丸山 尚文)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2008.03  262,027 124,807 121,511 62,617
連本2009.03予 265,000 133,000 132,000 76,000
連本2010.03予 283,000 141,000 134,000 80,000
連中2008.09  131,627 65,905 65,091 36,894
連中2009.09予 136,000 68,000 67,000 38,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2008.03  1035 104 
連本2009.03予 1282 127-130 
連本2010.03予 1349 135 
連中2008.09  616.8 0 
連中2009.09予 640.9 0 

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