イオンが覚悟の大量値下げ、専門店に「倣う」衣料品改革

イオンが覚悟の大量値下げ、専門店に「倣う」衣料品改革

「プライドを捨て、専門店に謙虚に倣う」(岡田元也社長)--。去る3月18日、総合スーパー最大手イオンは「反省会」と称し、食品や衣料品など約5100品目の値下げを大々的に発表した。

不況下でもユニクロやニトリなど低価格路線を貫く専門店は消費者から支持されており、イオンには「(価格面で)お客様の期待に応えられていない」(岡田社長)との焦りがあった。その答えが、今回の徹底した値下げ作戦にある。

中核事業である総合スーパー(GMS)の苦戦が響き、2009年2月期は利益が落ち込む。中でも業績悪化の大きな要因が衣料品だ。イオンの衣料品販売では、「高付加価値のものならば、若干高くても売れる」という意見が根強くあり、結果的には「時代に合った売り場になっていなかった」(イオンリテール・村井正平社長)。衣料品は粗利益率が4割前後と食料品等に比べて高いだけに、テコ入れは急務。大量値下げの中でも衣料品の仕掛けが、反省を踏まえた攻勢の目玉となる。

商品の絞り込みで低価格化を促進

イオンが「専門店に倣う」という方向性を明確に打ち出した背景には、昨秋から始めたキッズ売り場での成功がある。

GMSにとって消費意欲が旺盛な若いファミリー層を取り込むには、キッズ売り場の充実が不可欠だ。そこで昨年9月、キッズ商品統括部長に据えられたのが、62歳の大ベテランである井ノ口幸紀氏。同氏はかつて「24色ランドセル」で大ヒットを飛ばした人物。特色の少ないランドセルに豊富なカラーを取りそろえたことで人気を呼んだ。発売から8年を経ても、小学校入学者の3人に1人が持つ「お化け商品」として売れ続けている。

その井ノ口氏がまず取り組んだのが、ライバルであるキッズ専門店の研究だった。西松屋や赤ちゃん本舗といった専門店の強さを徹底的に分析し、「種類を絞り込んで低価格を実現し、見やすい売り場を作る」(同氏)戦略を打ち出した。

Tシャツなど普段着は大量仕入れで値下げを実現。ニーズが限定的なプレゼント用の衣料品などは思い切って品数を絞り、その分売り場を広くした。こうした施策を2店舗で導入したところ、販売数は従来の3割増しとなり、今もなおその勢いは衰えていないという。

さらに昨年11月には、一部のカジュアル婦人服売り場でもユニクロの店舗に倣って売り場改革を実行。イオンは今後も同様に、好調な専門店を参考にしながら、商品点数を絞り込み、低価格を実現する手法を衣料品売り場全体に広げる。

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