(第19回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第六話『面接入門』其の一

(第19回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第六話『面接入門』其の一

菊地信一

面接対策など立てられるはずもないことを知れ!
その都度相手は変わる。

 まずは最初にお断りしておきたいことがある。それは、面接にまつわる「流言蜚語」の類に惑わされないことだ。世間に広まった根拠なく無責任な噂話ほど無視して然るべきものだと…。「嘘も百回言えば、本当のように聞こえる」という言葉があるが、面接ではその種の話が非常に多い。
 例を挙げてみよう。「面接において、“立て板に水のごとく”スラスラと話せるタイプが有利になる」!?みなさんはどう考えるか?おそらく「そのとおり」と考え、自己PRの文章を一生懸命暗記しているに違いない。だが、いくら暗記をしていっても、面接の独特な雰囲気に圧倒されて、すべてを忘れる羽目になることは間違いがない。面接では、暗記したことを相手に伝えることなど、まったく無意味だ。それこそ無駄な努力と断言しても構わない。一方で「あがらないコツを教えてください」との質問も相次ぐ。冷静になって考えてもらいたい。暗記したことを思い出そうとするから、余計あがるのであって、暗記などしなければ、それ以上にあがることはないのだ。よく、みなさんが話す「頭が真っ白の状態」とは、暗記したことをうまく言葉に出せない姿を指している。一刻も早く、この矛盾から脱却してもらいたい。そして「面接は会話」だと認識することこそ、成功への第一歩だと考えよう。

 「マニュアル本には、このように書いてあったので、それをそのまま話したら、あまりうまくいきませんでした。どのようにしたら、よい結果が出るでしょう?」なる疑問も多い。結論はひとつ。マニュアル本に記されている例は、あくまでも著者の知りうる“ひとつの正解”でしかないということだ。みなさんがエントリーシートの書類選考もめでたく通過し、15社の面接に臨んだと仮定してみよう。通常、企業の面接は1社あたり最低3回だ。最終面接まで残ったとして、15社×3=45回の面接を受けることになる。さて、みなさんは、その面接官ごとの性格・考え方・話し方の特徴を踏まえて、45通りの会話ができるだろうか?出来る人など皆無に近いだろう。そう、45パターンの相手に合わせた「模範的な会話」など存在するはずもないのだ。

 以前もここで記したように「ひとつの正解を求める行為」は、そろそろやめにしないか。言ってみれば45パターンの正解を考えることこそ、大きな無駄につながるのではないか。マニュアル本に記されていることを一概に“ウソ”と決めつける気持ちは毛頭ない。ただ多くの真実が存在する中での、ひとつの真実なのだと思うことこそ、マニュアル本の有効な利用法と知るべきだ。

 以上のように、みなさんは面接に対して、ある種の誤解を抱いている。まずはその誤解を解くところからスタートしなければならない。そして、その誤解とは?メンタル面から考えて「試験を受ける」という意識を捨てることだと認識してほしい。面接の対策ではなく、面接=会話に慣れることが肝要なのだ。

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