”花育”が人気、子どもの個性がスクスク育つ? 


 「ねぇ先生、お花をこうやって曲げてもいいのかな」「あたしスイトピー大好きだからもっと使っちゃおう」。灰色の雲が空を覆う2月末、東京都・品川区のある児童会館では10種類ほどのピンクや黄色の草花と子ども達が“格闘”を繰り広げていた--。この日のお題は「おひな様アレンジメント」。子ども達は菱餅を見立てた三段重ねの吸水性スポンジの上に、スイトピーやモモ、ゼンマイなどの草花を切ったり、曲げたりしながら思いのままに飾っていく。
 
 草花との触れ合いを通じて、子どもの感性やコミュニケーション力などの向上を促す「花育(はないく)」の注目が高まっている。地域の児童会館や教育機関が教室を設けたり、企業がイベントの一環として取り入れたりと人気はジワジワと浸透。「花業界では花育事業を始める人も出てくるなど、日常的なものになりつつある」と、切り花仲卸大手フローレ21に勤務する旁ら、「花育」普及に力を入れる高杉揚子さんは話す。
 
 食事を通じて、食品知識のほか、食文化や食品産地の風土、さらには生命の尊さを学ぶことを目的とした「食育」はすでに一般的に知られている。だが「花育」という言葉が頻繁に使われるようになったのはごく最近だ。高杉さんが「花育」のアイデアを思いついた2006年頃は、「(食育を提唱する)農産漁村文化協会では内々でそういう考えもあったようだが、表立った活動はなかった」(高杉さん)。その後、高杉さんなど個人の活動から口コミでみるみると広がっているようだ。

タマゴパックも“花瓶”に変身、花をもっと手軽で身近に

高杉さんの花育教室はいわゆるフラワーアレンジメント教室とはかなり異なる。通常のフラワーアレンジメントが花をきれいに整理して飾るのを目的としているのに対して、「花育」は季節の花の色や香りなどを楽しみながら、生命の大切さなどを学ぶのが目的。同時に“ルール”のない中で、子ども自らの発想にまかせてアレンジさせることにより、ぞれぞれの個性を養う効果も見込む。

花材にはその季節の草花を6~10種類使い、それぞれの自然な姿を見せるため下葉処理やトゲ抜きはしない。集まった親子たちは、まず、草花の名前や特徴、産地や扱い方などの説明を聞き、実際に触ってにおいをかいでみる。子供たちはそれぞれのノートに花の名前や聞いた説明を書き込んでいく。


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