結果の違いが待遇の違い

プロゴルファー/小林浩美

 永代橋の架かる大川。桜の季節にはうっとりするような情緒にあふれています。

さて、プロゴルファーになって絶対必要なのは車の運転免許。これさえあれば、どこでもスイスイ移動できます。私は19歳で免許を取りました。21歳でプロになり、日本で試合へ行くときは、自宅からだいたい5~6時間の範囲であれば自家用車でガンガン走り回っていました。1990年に米女子ツアーに参戦してからは、自家用車を持たずにもっぱらレンタカーを利用。国土の広い米国では、自宅から車で移動できる距離にある試合は年に2試合前後。ほとんどは飛行機で行き、空港でレンタカーを借りゴルフ場へ移動するのです。免許は住んでいたジョージア州で取りました。実技は免除。その日大雨が降って、日本の免許証を提示したらOKになったのです。鷹揚(おうよう)な国だなと思いました。筆記試験は英語の辞書を片手に1時間半格闘し合格。それは身分証明書にもなるので、いっぱしの住民になったような気分でした。
 
 また、レンタカーを借りなくてもトランスポーテーション専門のボランティアが各試合会場にいます。空港からゴルフ場、ホテルなどの往復でいつでも送り迎えしてくれます。試合に出始めの頃の新人や賞金がまだ十分に稼げないうちは経費節減で利用する人も。さらに、車会社が協賛して、賞金ランキング上位10位までの選手や前年度優勝者、歴代優勝者にその週だけ新車を無償提供してくれる試合も多いです。もちろん、車のボディには試合の宣伝ステッカーが貼ってあり、どこへ動くにも目立ちます。また、デトロイトであったGMの試合のときは前年度予選を通った選手全員に車が無償提供されました。こういうことも試合で頑張ろうという気持ちにさせます。選手の使った新車は翌週、新古車として一般に売り出されます。米ツアーではおもしろいことをするんだな、こういうやり方もあるのかと感心しました。

また、どの試合も前年度優勝者、歴代優勝者にはクラブハウス前の一番いいスポットに駐車スペースと優勝者の名前が入った立て札が用意されています。秋にある優勝者だけが出られる試合のときには、選手全員に新車が渡され、各選手名の入った立て札がある決まったスポットに駐車します。米ツアーでは好成績を挙げた人にはそれに報いる待遇が必ず用意されています。試合のスタート時間にしても、上位の選手には午前午後ともいい時間帯でプレーできるようになっているし、シード年数も優勝回数に応じて長くなる。また、試合に出る資格も推薦で出られるのは144人中2人しか認めず、殿堂入りしている選手でも賞金ランキングでシード権圏外になるとプロアマ戦にも出られないなど、実力主義が徹底しています。米ツアーは、厳しさも生半可ではありませんが、成功報酬も明確で、その分やりがいはすこぶる大きいのです。

プロゴルファー/小林浩美(こばやし・ひろみ)
1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)理事。TV解説やコースセッティングなど、幅広く活躍中。所属/日立グループ。
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