鉄道員養成の名門校に意外なライバルが登場 男女共学化した「岩倉高校」の就職事情とは?

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鉄道員を育成する岩倉高等学校は2014年度から男女共学になった

JR上野駅の地上ホームから校舎が見える私立岩倉高等学校は、鉄道従業員を養成する目的として、1897(明治30)年に「私立鉄道学校」として開校した。その後、鉄道界の恩人、岩倉具視公の遺徳にちなんで「岩倉」の二文字を冠して「岩倉鉄道学校」となった。

以来、鉄道の発展に寄与し、数多くの卒業生が鉄道・運輸業界で活躍をしている。現在は、普通科と運輸科の二科体制をとっている。

これまで長く鉄道業界は「男の職場」という雰囲気があった。事実、10数年前までは男性が8割以上を占めていたが、近年は多くの女性の進出がめざましい。本校も時代の流れに沿う形で、2014(平成26)年度から男女共学となった。2016年度からは全学年で共学となる。

全国から入学希望者が集まる

運輸科に入学する動機は実にはっきりしている。鉄道員になりたいという想いだ。鉄道従業員育成を目的とする学校は限られるため、全国各地から学生が集まる。15歳で寮生活を始める生徒、長野や静岡から通学する「新幹線通学者」、さらには、千葉の房総方面や東京の奥多摩方面から片道2時間以上かけて通学する生徒もいる。

中学生の段階で鉄道員を志し、寮生活や遠距離通学を決意して、親を説得して入学する。ある意味「熱い生徒」が多いのが特徴である。また、普通科の生徒の中にも鉄道会社への受験に挑戦する生徒がおり、進路に関して1年生の時から志をもって考えている生徒が多いのも特徴である。

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